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細長いお部屋の空間づくり

いつもは designcompass.jp のブログ「ポッカポカ日和」でお世話になっています。
こちらでは主に、お部屋全体の空間づくりやコーディネイト、レイアウトなどをご紹介させて頂きます。よろしくお願い致します。

さて、遅ればせながら初投稿です。
T様の一室、細長いお部屋の空間づくりをご紹介させて頂きます。

お子様が巣立たれて全く使われていなかった2階の一室。
よほどのきっかけがないと、長年そのままにされている方も多いのではないでしょうか。

同じく使われていなかったお部屋ですが、娘様のご出産を機にお里帰り中やこれからを快適に過ごせるお部屋にリニューアルされたいとのことでした。

お里帰りは年に数回、でもお孫さんが大きくなられるまで10年、20年と長い間過ごされると思います。
ご家族3人、4人の時もあれば、1人、2人でのお里帰りもあるでしょう。
いろいろなシチュエーションでも快適に過ごせる場所があると、お里帰りの楽しみもより増えるかもしれません。
長旅を癒して、快適に過ごせるゲストルームの要素もありつつ、ふと想い出に浸れるような空間に出来ると良いなぁと思います。

こちらは、初期のご提案です。
2.6m×6m程の長いお部屋にベッドを2台。そしてちょっとしたデスクもご希望でした。
南に2窓、西に1窓あり壁量が少なく陽が当たり過ぎるので、レイアウトにより1窓を無くしてしまう予定です。
ベッドを2台常設する案と、1台は必要なときに拡張する案、色々なシチュエーションをイメージして頂きます。

お打合せを重ねて少しレイアウトが固まってきました。
長い空間をデスクと格子で仕切り、ベッド側からは壁掛けテレビを設置するプランです。
その後、ベッド2台常設案 or  必要なときだけ拡張案 が浮上して再度ご検討頂きました。

こちらは実際のイメージです。
このように、必要なときにベッドを拡張できる方向で決まりました。
いよいよ施工が始まります。

(左)施工前、奥の掃出し窓は西陽が強い為、塞いで壁にします。
(右)ここにベッドのヘッドボードが設置される予定です。

対面の壁は、クローゼット。
使い辛かった折戸から、3枚が連動する引戸に。入口の位置も変わっています。

その後、ベッドのヘッドボード、空間を仕切るデスクと格子を設置していきながら、少しずつ仕上げていきます。

グレージュの優しい色使いに包まれた大人のフェミニンな空間が完成しました。

ベッド、カーテン、照明計画も含めてトータルコーディネイトさせて頂きました。
ヘッドボードはかまぼこ型にすることで優しい印象になりました。
クッションをボタン締めにするとクラシックで格調高い印象になったり、ちょっとしたことで全体の雰囲気を変えることができます。

拡張するベッド。緻密に設計と製作をさせて頂きました。

細長い空間により奥行きを感じられるよう、空間に合わせてディスプレイアイテムも製作しています。
お嬢様の想い出と、お孫さんのこれからと、たくさん飾って頂けると嬉しいです。

こちらはベッドから見られるテレビ。
テレビと格子だけで空間が仕切られました。
ここに何もないとガランと広く落ち着かず、逆に壁があると圧迫感が生じます。

テレビの裏側はデスク側からのマグネットボード。扉を左にスライドさせるとミラーが現れます。

テレビ側の下、中央はブックスタンド。
開き扉の中にはテレビの配線と、扉を開けると同時にフタが開く小さなゴミ箱が組み込まれています。

開放感を感じつつデザイン的に仕切る、そして両面から違う用途で使える家具。
デザインだけではない機能性も備わった快適な空間に生まれ変わりました。